ゼミ旅行が無事に終了しました2005年10月02日 12:38

9月20日から22日にかけて、専門演習Ⅰ(3年生)の学生諸君によるゼミ旅行が行われました。 ゼミ委員の3人の学生さんが、すべての企画・交渉を担当してくれて、予算の上限が厳しかったにもかかわらず、大変よい旅行になったと思います。

行き先は福井県で、宿泊先は「東尋坊温泉三国観光ホテル」でした。 ホテルはきれい、かつ応対も丁寧で、みんな大満足でした。露天風呂や畳風呂を備えた温泉も、24時間入ることができました。

また、初日の夜は花火やビンゴ大会で盛り上がりました。 二日目の午前中は、民法を中心としたクイズ形式の法律問題で知識を競い合い、午後はスポーツ大会で走り回りました。 三日目は東尋坊観光を経て、大阪・梅田への帰路につきました。

詳細は、またホームページでご紹介できればと思います。 皆さん、ご苦労様でした。

後期講義期間が始まる2005年10月02日 13:08

9月26日(月)から、ここ関西学院大学では後期講義期間が始まりました。

私は、2年生以上が対象となる専門講義・民法D「債権総論」を担当しています(半期で通年分)。 すでに2回分の講義が終了したところですが、少しでも興味の持てる分かりやすい講義を心がけつつ、準備万端で望みたいと思います。 また、週に一度、非常勤で京都方面にも参っております。

ゼミや講義以外にも、大学や法学部の業務にかかわったり、9月中の締切りで論文の執筆を行ったりしています(すでに9月は過ぎてますけど…)。 一般的には、大学の教員は暇そうに見えるようですが(または、そもそも何をやっているかわからないらしい…)、そんなに楽な仕事ではない面があることを実感しています。

10月は、私法学会(今年は九州大学)をはじめ、各種研究会も目白押しで、勉強の秋なんだなあと改めて思わされます。 そのため週末はほとんど潰れてしまいますが、自分の専門の殻に閉じこもってしまわないように、こういった機会を有効に活用しなければと自分に言い聞かせているところです。

私法学会に参加して2005年10月12日 17:26

この10月9日、10日の連休に、日本私法学界の第69回大会が九州大学で開催されました。 初日は個別報告、二日目はシンポジウムが行われました。

すばらしい報告あり、そうでもない報告ありと様々ですが、いずれにしても学会の雰囲気を味わえることは大いに有意義なことと思います。 とりわけ今回のシンポジウムでは、「要件事実論と民法学との対話」、「取締役の義務と責任」、「契約観・訴訟観・法意識の国際比較」という、個人的には大変に興味のそそられる3つのテーマに分かれており、いずれのシンポジウムに参加するか大いに迷いました(結局、要件事実論に出ることにしました)。

また、学会の楽しみといえば、久しぶりに学生時代の知人や恩師に会えることでしょうか。 あちらこちらで近況報告会の様相を呈していることも、また微笑ましい光景だと思います。

1班の報告が終了しました2005年10月22日 18:06

10月19日(水)の第3回ゼミより、班による実際の報告が始まりました。 まずは1班による事例問題の報告で、テーマは「詐欺による取消と第三者との関係」という、いわゆる典型論点から開始しました。

詐欺による取消の前後に目的となる動産が転売された場合に、前主を信頼して取引関係に入った第三者を保護することができるのか。すなわち、民法96条3項の解釈と民法192条の適用の可否が主な問題点でした。また、目的動産が登録済み自動車ならどうなるかも併せて問いました。

1班の報告は、上記の問題点をはずすこともなく、第三者の出現を取消前後に分けたうえ、しっかりと論じられていたように思います。 班の3人は、図書館に何度も集まって事前準備をしっかりしたとのこと、最初でプレッシャーはあったと思いますが、良い報告でした。ご苦労様。 この調子で、2班以降の人たちもしっかり準備をしてから報告に臨んで欲しいと思います。

なお、一つ注文をつけるなら、報告班以外の人からの積極的な発言を期待します。 各人に直接聞いてみると色々と意見や疑問を持っているようなので、それを上手く表現できないかもしれないという不安感から消極的になってしまうのでしょうか。 まあ、徐々にで結構ですので、一歩前に出られるよう頑張って欲しいと思います。

2班の報告が終了しました2005年10月28日 13:02

2班は個別のテーマについての報告で、「長時間残業による過労死」についてでした。 3年生のこの時期、就職活動も始まりつつあることもあって、ゼミ生全員が興味を持って報告に聞き入っていたようです。

ゼミ初ですが、パワーポイントを使っての報告ということもあり、色々なデータや資料を紹介してもらいました。 さらに、「長時間労働による過労自殺と使用者責任」に関連する判例として、最判平12年3月24日・判時1707号87頁について詳細な報告がありました。

今回の報告によって、会社における被用者のおかれた状況の一端が理解できたのではないかと思います(すべての会社が従業員に厳しい残業を課しているわけではありませんが…)。

この後期は、資格試験組みを中心とした「事例問題研究班」と就活組みを中心とした「個別テーマ報告班」とに分けて、交互に報告をしてもらう予定となっています。 今回の2班は個別テーマ報告の初回でしたが、こちらの意図をしっかりと汲み取った報告となっていました。

なお欲を言えば、一般的な過労死への対策に加えて、当該判例が一般社会(とくに会社)に与えるであろう影響に具体的に言及してもらえるとより良かったと思います。 たとえば、当該判決が使用者責任という不法行為構成を採用し、安全配慮義務による債務不履行責任構成を採らなかったこと、また、使用者の側による過失相殺の主張を認めなかったことについて、「職場における過労死」の問題解決について、どのような重要性を有するのでしょうか。

過失相殺を一切認めなかった点で会社にとって少々酷な判決のようにも思われますが、職場の安全性向上の意識を加速させるためには強いインパクトが必要なのかもしれません。 いずれにしても、今後なお一層考えを進めて欲しい重要なテーマだと思います。