裁判傍聴2008年09月10日 09:20

先般、基礎ゼミ(1年生)を引率して大阪地裁・高裁へと裁判傍聴に行きました。 法学部に入学したからには早い時期に裁判実務に触れる機会を持ってもらうべく、毎年の学外研修行事のひとつと位置づけています。

裁判の公開原則および少人数であることもあり、裁判所のアポは取らずに、当日の朝に庁舎入口付近に集合し、数人単位で興味のある事件の法廷に行ってもらうようにしています。 その後、夏季休暇中の課題として、感想をレポートにまとめて提出してもらっています。 今回は、たまたま凶悪事件に行き当たった人が多かったようで、その生々しくも厳しい現実に触れて、退出したかった、辛かった、気分が悪くなったといった感想が寄せられました。 1年生ゼミという性格からして、生々しい犯罪の事実を受け付けない人もいるでしょうから、来年度以降は凶悪事件への注意喚起を今以上に行う必要を感じました。

しかし、そういった経験から法的な問題を含めた社会問題に興味を持つと同時に、関連書物を読むなどして見聞を深めてほしい、さらには大学での勉強につなげてほしいという思いもあります。 そこで、凶悪事件の傍聴を一切禁じるのではなく、十分に注意喚起をしつつも、その意義について説明を加えたうえで、学生さん個人の判断に委ねることが最善の策かと思う次第です。

このまま行けば来年5月からは裁判員制度も始動しますし、その他に諸種の司法制度改革が謳われるなか、社会における法学部教育の在り方も変わるべき部分が多くあるように感じます。 具体的なことを言えるほどの実績はまだありませんが、いろいろと考えて工夫を凝らすことを忘れずに、ゼミの運営を進めて行きたいと思います。 そして、その一端をここでお伝えすることができれば幸いです。

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