ベルリン(序)2010年02月21日 02:30

先週ですが、ベルリンに行ってきました。

その話題の前に少し昔のことを振り返らせてもらいますと、私が大学1年生だったときに、当時在住していた堺市による海外派遣事業の一員に選ばれて、実はドイツに来た事がありました。 その際のテーマはドイツにおける少数者の人権問題だったのですが、1週間と短い滞在期間の中、たとえばシンティ・ロマ(いわゆるジプシー)の人たちと会談をしたり、生活実態を調査したりしました。 また、アウシュビッツ強制収容所の見学もプログラムに組み込まれていて、世界の歴史や戦争の問題にも関心を持つきっかけとなりました。

さて、その際にベルリンにも立ち寄ったのですが、当時は東西ドイツが統一されたすぐ後だったので、まだ壁があちこちに残されていて、そこここに無造作に置いてあったハンマーで壁を叩いたことを思い出しました。 当時はソニーセンタービルのあたりから旧東側地区に足を踏み入れると、街並みががらりと変わり、あまりの暗い雰囲気に愕然としたものでした。 しかし、今回のベルリン訪問ではすでに壁の痕跡はどこにもなく(一部に博物館として残されているようです)、どこが旧東側だったか地図で確認しなければ分からないほどでした。 いまだに東西格差の問題は一部に根強く残っているそうですが、この20年のドイツの変化を感じた瞬間でした。

ベルリン12010年02月21日 02:54

今回のベルリン訪問の目的は、ドイツ民法およびヨーロッパ私法に関連する研究資料の収集にありました。

まずは、写真のとおり、ポツダム広場にあるベルリン州立図書館(STAATSBIBLIOTHEK ZU BERLIN)に行ってきました。 ベルリンも雪が多く残っていましたが、幸い滞在中は雪や雨に見舞われることもなく、通りはそれなりに除雪されていましたので、まあなんとか1度だけの転倒で済みました(って、やはり転びました…)。 入館手続きを済ませて中に入ると、想像以上に大きな図書館でした。 説明しづらいのですが、大きな吹き抜けのなか5階くらいまでの構造となっており、明るくて開放的で、あちらこちらに閲覧・自習用の机が設置されていました。 そして数多くの若者(中には年配者も)がなにやら色々な勉強にいそしんでいました。 また、法律関係の古い書籍や地域的な書籍もそれなりに充実していて興味深かったです。

そういえば、はるか昔の受験生の時分に、大阪市立図書館の自習室に行ったときのことをふと思い起こしました。 もちろん今の様子は知りませんのできっと改善されているのでしょうけれど、隣の人と肘がぶつかるくらいのスペースに大勢が詰め込まれていた記憶があります。 このような状況は大阪市に限らず、私がこれまでに訪れたことのある日本の多くの公共図書館も、比較的に自習スペースが狭いように感じます。 ベルリンの図書館は有料でしたが(1ヶ月10ユーロ、1年25ユーロ)、日本もいくらかの利用料を取ってでも、もう少し内容を充実させ、スペースも余裕のある設計にして欲しいと思いました。