明けまして、おめでとうございます ― 2006年01月02日 20:32
昨年度は移動の年ということもあり、あっという間に1年が経過してしまったという感じです。 色々と大変な面もありましたが、大学業務および家庭面では、そこそこ充実した1年を送ることができたと思います。
ただし、研究面では論文を公表することができなかったので、今年は気持ちを入れ替えて頑張る所存です。 さて、この気持ちがいつまで持続するかが問題なわけですが…。
ゼミの皆さんにも、それぞれの目標に向かって一つ一つの努力を大切にしてもらいたいと願っています。 今年も頑張っていきましょう。
9班による最終報告 ― 2006年01月22日 14:00
本年度最終のゼミが1月11日(水)に行われました。 今回は、不当利得に関する事例問題の報告でした。
一般に「転用物訴権」と「騙取金員による弁済」といわれる論点を題材としました。 報告班は、前者に関しては、ブルドーザー事件判決(最判昭和45・7・16)とビル改修事件判決(最判平成7・9・19)とを比較検討のうえ、基本的には限定承認説にそった実質的判断が妥当であると結論付けていました。 とりわけ、今回の出題事例では使用貸借契約が問題となっていたところ、修繕等の必要費が原則として借主負担とされる点が適切に検討されており、好印象でした。 なお、報告者内でも意見の対立があったようで、不当利得否定説に立ちつつ、債権者代位権の行使可能性に言及する私見がありました。
他方で、後者の問題点に関しては、最判昭和49・9・26を適切に紹介したうえ、この判決によって示された「受領した債権者の悪意・重過失」を基準として、不当利得の成否を判断すべきことが主張されました。 ただし、この点に関しても、不当利得否定説に立ちつつ、債権者取消権の行使可能性が検討されており、高評価でした。
以上、最後を締めくくるにふさわしい報告だったと思います。
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