11年度卒業式と謝恩会2012年03月21日 11:35

19日(月)ですが、関学大の卒業式が行われました。 法学部民法の当ゼミからも、新たに20名の卒業生が巣立って行きました。

09年度に私がドイツへ留学したためゼミも2年間中断したのですが、再開後の初めてのゼミ生の卒業となりました。 振り返ると、留学先のミュンスターでゼミ志望者リストと志望理由書をみながら、大いに期待を込めてゼミ生選考をしたことを思い出します。

ゼミ運営とは不思議なもので、同じコンセプトで同じ指導をしていても、学年によって大きくゼミの雰囲気が異なってきます。 開始当初は担当教員が全体を引っ張ることも大事ですが、やはり学生さんの個性や資質によるところが大きく、全体を通して、あくまで教員はサポート役に徹することが肝要かと考えています。 もちろんその結果として、不手際や色々な失敗に心穏やかではない時もありますし、こちらの思いが伝わらないもどかしさを感じることもしばしばではあります。

ですが、それをゼミ学生たちで相談をし、工夫を凝らして乗り越えて行ってくれることこそが、社会人に向けての成長の糧になるはずです。 そこで、これからもなるべく自主性を重んじたゼミ運営を心掛けて行きたいと思います。

さて、今年のゼミ卒業生達はどのような2年間を過ごしたのでしょうか。 3年生時には、普段のゼミ報告に加えて、関関交流戦でプレゼン能力を鍛えたりと、しっかりと勉強をしてくれたことでしょう(おそらく…)。 それだけでなく、スポーツ大会やゼミ旅行、ゼミコンなど、課外活動も積極的にこなしていたと思います。 関学の良い雰囲気を持った、楽しい人の多いゼミだったなと感じています(社会に出ても大事な要素だと思います)。

しかし、3年生の終わりからは、なお一層厳しさを増している就職状況に、東日本大震災という未曽有の大災害が影響し、本当に大変な1年だったのではないでしょうか(もちろん被災県の方々の比ではありませんが)。 そのようななか、地道な努力を進め、なんとか進路が決まったことは教員としても大いに喜ばしいことです。

ただ、近時の傾向としてやむを得ない面もあるのでしょうが、就職活動に力が入りすぎたためか、ゼミや講義等の学業に時間が割けず、また気分的にも身が入らない学生が増えているように感じます。 私のゼミでも、4回生の春学期は実質的に出席を強制できず、ゼミとしては大いに消化不良感を残してしまいました。 教員としても色々と工夫を凝らして教育効果を上げる努力はしていますが、いつもこれが心残りとなっています。

このような思いもあって、今回は、春学期の分も含めて、秋以降に例年より1回多く報告をしてもらいましたが、就職が決まった人は少々学業に気が抜けていたようにも感じました(もちろん、一部の人ですが…)。 今やるべきことを十分にやれていない人は、これから社会人になっても通用しないのではないかと危惧しています。 そのような反省のある人は、ぜひ捲土重来を期し、心機一転、頑張ってほしいと思います。

私自身も自戒の気持ちを込めて、学生の皆さんに「誠心誠意」、「地道な努力」という言葉を送らせてもらいます。 そして社会人として成長した暁には、本当に困っている人を助けることのできるような、他者の役に立てる人間になってほしいと願ってやみません。

最後に、心より卒業のお祝いを申し上げます。 もし疲れた時には、時計台を見に「中芝」に戻ってきてください。