ゼミⅠ報告開始2011年05月21日 17:54

これまでの準備活動を経て、先週からゼミⅠの学生報告が始まりました。

第1班は、最判平成20年7月4日「フランチャイズ契約におけるフランチャイザーの報告義務」についての判例評釈を行いました。 少々コンパクトではありましたが、問題点を適切に押さえた報告だったと思います。 ただ、積極的な質問があまり出なかったことは残念でした(初回ということで、緊張感があったせいかもしれません)。 とりわけ、新種の契約を如何に考えるのかという法的な枠組みに関する質問が出なかった点で、本質的な問題点への理解が不十分であったように思いました。

第2班は、最判平成18年11月27日「学納金返還訴訟」について、同時に出された4つの最高裁判決を扱った判例研究を行いました。 報告班は、はじめに4判決に共通する総論部分について、在学契約の性質と解除について、消費者契約法および公序良俗違反について論じた上で、各判決の特徴に言及していました。 判例を素材とした研究報告としては適切といえますが、今期前半のゼミでは判例評釈を目的としていますので、判例評釈の意義またはスタイルについて改めて検討することを次週への課題としました。 なお、各論点への理論的深化が少々甘かったことも今後の課題といえるでしょう。 ただし、初回とは違って、報告班以外の人からの積極的な質問が相次ぎましたので、本来のゼミらしさが出てきたと一安心しています。

6月18日(土)には、昨年度に引き続いて、関大の寺川ゼミと合同討論会を開催する予定です。 そのための準備をそろそろ始めることになりますが、本番に向けて良い弾みがついたのではないでしょうか。 学生主体での有意義なゼミになることを期待しております。